情報確認日:2026年8月12日
オンライン会議が多い事業者は、広告にある「最大速度」だけで回線を選ばない方が安全です。重要なのは、業務時間帯の安定性、上り通信、遅延、同時利用人数、宅内LAN、障害時の代替手段です。
1人事業でも、商談や面接が止まれば機会損失になります。回線、ルーター、Wi-Fi、端末、予備回線を一つの仕組みとして考えましょう。
結論:オンライン会議用回線の確認項目
- 業務時間帯に安定しているか
- 下りだけでなく上りも測定したか
- 遅延やパケット損失が頻発しないか
- 同時に会議する人数と他の通信量を見込んだか
- IPv6 IPoE・IPv4 over IPv6に対応しているか
- 有線LANを使えるか
- 障害時の予備回線があるか
必要な速度は「人数×使い方」で考える
会議サービスは通信状況に合わせて品質を調整するため、必要帯域は一定ではありません。公式案内の一例は次の通りです。
| サービス・用途 | 公式案内の目安例 |
|---|---|
| Zoom Web App・グループ720p | 上り2.6Mbps・下り1.8Mbps |
| Zoom Web App・グループ1080p | 上り3.8Mbps・下り3.0Mbps |
| Microsoft Teams・ビデオ会議推奨 | 上り2.5Mbps・下り4.0Mbps(1端末あたり) |
| Google Meet | ブロードバンド接続が必要。品質問題時は帯域と遅延を継続確認 |
数値はサービス、画質、画面構成、共有内容などで変わります。小規模オフィスで3人が同時に会議するなら、1人分の目安ではなく、会議以外のクラウド同期やアップデートも加えて考えます。
回線の最大速度が大きくても、最低速度や会議品質を保証するわけではありません。
下り速度だけでは判断できない理由
上り速度
自分の映像・音声、画面共有、ファイルを送る通信です。相手から「声が途切れる」「映像が止まる」と言われる場合は、上り側も確認します。
遅延
データが往復する時間です。大容量を短時間で送れても遅延が大きいと、会話がかぶったり反応が遅れたりします。
パケット損失・揺らぎ
通信の一部が失われたり到着間隔が不安定だったりすると、音切れや映像の乱れにつながります。1回の速度測定だけでなく、問題が起きる時間帯を含めて複数回確認します。
固定回線とモバイル回線の使い分け
| 回線 | 主な利点 | 主な注意点 | 向く役割 |
|---|---|---|---|
| 光回線 | 通信量を気にせず使いやすく、有線LANを組みやすい | 工事と開通待ち、建物条件 | 主回線 |
| ホームルーター | 工事不要で開始しやすい | 室内電波や混雑の影響 | 主回線候補・一時利用 |
| モバイルWi-Fi | 持ち運べる | 容量・電池・電波・端末制限 | 予備回線 |
| スマホのテザリング | 追加機器なしで緊急利用しやすい | 通信容量、発熱、着信、電池 | 短時間の緊急用 |
重要な会議が多いなら、固定回線を主回線にし、異なる通信網のモバイル回線を予備にする構成が考えやすいでしょう。
固定回線の候補を具体的に確認する場合は、DTI光を申し込む前の確認点と、関西の対象エリアならeo光を自宅兼事務所で使う前の確認点を参照してください。工事を待てない場合は、PLAIO WiMAXの料金・端末・契約条件も比較できます。各記事では向かない条件も含めて整理しています。
Wi-Fiより有線LANを優先する場面
GoogleはMeetの品質問題への対策として、利用可能なら有線Ethernetで改善するか確認するよう案内しています。重要な商談、採用面接、配信では、パソコンをルーターへ有線接続すると、室内の電波干渉要因を減らせます。
Wi-Fiを使う場合は次を確認します。
- ルーターを床や収納の奥に置かない
- 端末との間に壁や金属家具を挟まない
- 混雑状況に応じて5GHz帯などを試す
- 古いルーターや中継器がボトルネックになっていないか確認する
- 会議端末とルーターの距離を短くする
IPv6 IPoEも確認する
フレッツ系回線では、従来のPPPoEとは異なるIPoE方式を利用できるサービスがあります。NTTドコモビジネスは、IPoEをPPPoEより大容量化した設備を使い、混雑しにくいネットワーク構成と説明しています。
ただし、「IPv6対応」という表記だけでは接続方式を判断できません。IPv6 IPoE、IPv4 over IPv6、対応ルーター、固定IPv4やVPNなど業務機器との互換性を確認します。
1人事業と小規模オフィスの選び方
1人・自宅兼事務所
光回線または室内電波を確認済みのホームルーターを主回線にし、スマホ回線を緊急用にします。家族の動画視聴やゲームと会議が重なる場合は、家庭全体の同時利用も考慮します。
2~5人のオフィス
同時会議数を数え、有線LANポート、ルーターの処理能力、Wi-Fiの配置を確認します。障害時に全員が同じスマホ回線へ集中しないよう、代替手順も決めます。
顧客対応が止められない業務
主回線と予備回線を異なる通信網に分け、切り替え手順をテストします。法人向けサポートや故障対応時間が必要かも、料金と分けて判断します。
導入前テスト
- ☐ 業務時間帯に有線とWi-Fiの両方で測定する
- ☐ 会議サービスで映像・音声・画面共有を試す
- ☐ 複数人・複数端末の同時利用を試す
- ☐ VPN接続時も試す
- ☐ 予備回線へ実際に切り替える
- ☐ ルーター再起動と問い合わせ先を共有する
まとめ
オンライン会議用の回線は、最大速度ではなく、業務時間帯の上り・遅延・安定性と同時利用数で選びます。光回線だけで解決するとは限らないため、有線LAN、IPoE対応、ルーター、予備回線まで含めて設計してください。
関連記事:
参照した公式情報
- Zoom Web Appのシステム要件・推奨帯域
- Google Meetの使用要件
- Google Meetの映像・音声品質のトラブルシューティング
- Microsoft Teams ネットワークの準備と帯域要件
- NTTドコモビジネス OCN光 IPoEサービス FAQ
※各サービスの要件や回線の提供条件は変更される場合があります。導入時に公式情報を確認してください。